22年前、自転車から落ちて人生終わったと思ったあの日。
22年前、父親と2人乗りした自転車から落ちた瞬間を今でも鮮明に覚えている。
目の前から車が来て、父親がパッとハンドルを切った。
体重の軽い僕は、バランスを保てず地面に叩きつけられた。
うまく受け身を取ることができず、膝から落下。
コンクリートに打ち付け、膝がジンジンする。
実際はそんな大した怪我ではない。
擦り傷程度の怪我だ。
しかし、軽傷かどうかの判断もできない5歳の僕はこのまま死ぬかと思った。
「ぼく、死ぬ?死ぬ?」
泣きながら父親に必死で尋ねていた。
父親は笑いながら「大丈夫だよ」といった。
僕は必死なのに父親は笑っていた。腹立たしかったが、痛みの方が勝っていた。
泣きながら家に帰り、母親にも同じ質問をする。
「ぼく、死ぬ?死ぬ?」
母親は「大丈夫、消毒して絆創膏すればすぐ治るよ」といった。
その瞬間、「あ、死なない。。よかった。。」と安心した。
なぜだろう。
母親の言葉は真っ直ぐ僕の胸に突き刺さる。
小さい時も今も変わらず。
説得力というべきか、安心感というか。
辛い時も母親の声を聞くと前を向ける。
母親の「大丈夫」は、どんな薬よりも効果がある。
自分も母親のように他人に安心感を与えられる人間になりたい。いや、なる。